Kenny Clarke-Francy Boland Sextet /Calypso Blues
A~G 4月 30th. 2006, 11:35pm極上「笛ジャズ」
KENNY CLARKE-FRANCY BOLAND BIG BAND“OFF LIMITS”が好きでその流れで買ってみたんだけど、とても気に入ってしまった。こちらはBIG BANDではなくSEXTETなので音の洪水で圧倒されるって感じではなくて、落ち着いた演奏なんだけど、ひとつひとつの音に説得力があって耳が吸い寄せられていく。気品に満ちた音が静かに燃え上がっていく感じが素晴らしくて、今週はこればっかり聴いてたな。
ところで僕はジャズのいいリスナーではないと自覚している。モダンジャズの名盤と呼ばれているもので気に入ってるものは、もちろんあるのだけど、ジャズロックやジャジーな雰囲気のポップ(スタカンとか)の方が聞く回数は多いかも知れない。アドリブの応酬に酔いしれるというよりは、ロックにはない、リズムやコード感を求めて聴いているのだと思う。このアルバムのFrancy Bolandのアレンジは各人の活躍の場を与えつつも、基本的な曲そのものの魅力を引き出す素晴らしいものだ。
収録曲はタイトルにもあるようにラテン系のものが多い。具体的に説明できるほど詳しくはないのだけど、サンバ、アフロ・キューバン、チャチャ、カリプソ…ドラム、パーカッションなどで繰り広げられる打楽器の躍動感溢れる演奏に耳を傾けてると様々なリズムが聴こえてきて楽しい。特にFats Sadiはマリンバ、ヴィヴラフォン、ボンゴと大活躍で、Sahib Shihabのフルートと並んで曲の雰囲気を決定付ける役割を果たしていると思う。数曲あるヴォーカルナンバーの雰囲気がインストナンバーとあんまり変わらないのはアドリブのみで突っ走る曲が少ないからからかも知れない。
どの曲もいいのだけど、特に‘Lorraine’という曲の、Sahib Shihabのフルート、Fats Sadiのマリンバの独特のムード、‘Invitation’の静かな曲調から後半、Fats Sadiのボンゴが炸裂するところとかが気に入っている。ちなみにフルート入りジャズを自分の中では「笛ジャズ」って呼んででよく聴いてるのだけど、このアルバムでのSahib Shihabのフルートは本当に素晴らしくて聞き惚れてしまう。ソロアルバムもあるらしいのでそちらも聴いてみたいな~。
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