Archive for the '書籍・雑誌' Category

ツイッター140文字が世界を変える

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ツイッター 140文字が世界を変える (マイコミ新書)

本書のなかほどに出てくる、

●ツイッターの三か条

1. すべてを読もうとせずに適当に流す
2. 大切なことはリツイートで再び出会う
3. 読みきれないと思ったら静かにアンフォロー

という部分を読んで、アカウントをとりました。気楽につきあうことが出来そうなサービスだったから。

受験生の頃から新しいことを覚えるときは解説本を買うのがくせになっているのですが、今回は個人的に愛読している「ネタフル」のコグレさんが著者に名前を連ねている、ということでこの本を購入してみました。

ニュース紹介系のブログなのにネタフルはネタの選択に偏りがあり、趣味が反映されまくっているところが気に入っています。ただ、情報をとるだけではつまらないんですよね。発信する人が感じられる方がいい。

この本ではツイッターの操作方法の説明自体は軽くふれるにとどめ、著者のツイッターとの出会い、最初のとまどいと、次第にはまっていく過程、ツイッターというサービスの始まり、アメリカ本国及び日本で発展していく様子、様々な個人、団体、企業の使用例などが細かく書かれています。

つぶやくだけなら誰でも出来るわけで、ツイッターの何が楽しいのか、ということをいろんな例を使って描いているこの本は、ツイッターがある生活を想像することが出来る点で有益でしょう。

例えばツイッターを理解する上で、重要な「フレンド」と「フォロー」の違いについて、

つまり、人間関係を可視化するのがフレンド機能であるとすれば、フォローは自分本位で情報に触れる機会を増やすための機能と考えていい、ということです。

と、説明していて、mixiが濃すぎるなあと思っていた自分に、ツイッターはあっているのかも知れないとも思いました。

アカウントを取って1ヶ月あまりたちますが、その直感が正しかったみたいです。自分に興味のあることをつぶやいている人をどんどんフォローして面白いネタが手には入れようと思っていたのですが、そしてその目的はかなり達成出来ているのですが、楽しさは別のところにありました。

タイムラインを流れていく会話を面白いなあと思いながら、ぼけっと眺めつつ、たまに言いたいことがでてきたらちょっと参加してみるというのが最近の使い方なのですが、これって90年代後半頃、すごく楽しんでいた個人HPの掲示板の感覚なんですよね。うまく回っている状態の掲示板はみていて本当に楽しかった。でもうまく回すのはほんと難しいし、管理人にはすごく負担がかかっていました。

だからいい状態というのが長く続けられるのはまれなのですが、タイムラインには管理人は不要だし、レスをつけるつけないでもめることもない。今のところそういうことはないけれども、うるさいつぶやきが多い人がいれば誰にも断らず、アンフォロー出来る。なんといっても、自分のタイムラインは自分のもの。

同じタイムラインは二つとしてない

のだから。

役にたつかとか、儲かるかとかいうことの回答はこの本にはありません。日々の生活がツイッターで少し面白くならないかなと思っている人にはヒントが沢山あるのではないでしょうか。

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栗本薫のこと

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昼休みにネットを見てたら、「栗本薫さん死去」の文字が・・・。

自分でも驚くほどショックでした。中高生の頃、栗本薫は本当に好きだったから。「ぼくら」シリーズなんて何度読んだか知れない。「伊集院大介」ものも全部ではないが読んだし、彼女のSF中短編も好きでした。「グイン」も二十何巻までは読んでたなあ。読み始めるとその小説世界に巻き込まれてしまう腕力みたいなのがあるんだけど、そういう熱気が魅力だったと思う。大学を卒業した頃からはあんまり読まなくなったんだけど今でも大切な作家であることは確かです。去年の引越の時、本を大量に処分したんだけど、栗本薫の小説は売らなかったもの・・・。

今日は高校生の頃、「ぼくら〜」と同じくらい繰り返し読んだ「時の石」という中編を読み返してみました。SFというよりは切なくて胸が痛くなるような青春小説。当時の僕は主人公の高校生に感情移入して読みふけったものでしたが、その頃から随分時間が流れたんですね。

猛烈な勢いで小説やエッセイを執筆し、テレビやら音楽やらいろんなところで活躍していたことを思うとなんだか亡くなられたのが信じられない気持ちです。もっとたくさん書きたかっただろうなあ・・・。ご冥福をこころからお祈りします。

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福岡伸一/生物と無生物のあいだ

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生命とは何か?

わくわくしながら読んでます。かつてSFものだった僕は定期的にこの手の本が読みたくなるのだが、たいていは本論になるとむずかしすぎて挫折していまいます。だけど、作者のずば抜けて素晴らしい文体に魅せられて読み続けることができてる。例えばウイルスは生命か否かにふれた部分で作者はこんなふうに書いています。

結論を端的にいえば、私は、ウイルスを生物であるとは定義しない。つまり、生命とは自己複製するシステムである、との定義は不十分であると考えるのである。では、生命の特徴を捉えるには他にいかなる条件設定がありえるのか。生命の律動?そう私は先に書いた。このような言葉が喚起するイメージを、ミクロな解像度を保ったままできるだけ正確に定義づける方法はありうるのか。それを探ってみたいのである。

この部分だけを書き写してるだけでも読み手である僕の胸はわけもなく高まります。余計な修飾のない文章のなんと美しいことか!この2、3日は仕事してるときと食べたり寝たりしている以外はずっと読んでる感じです。あと残り1/4くらいかな?読了したらまたここに感想を書こうと思います。

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歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」読了

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久々にミステリ読んでみました。こういうどんでん返しは好きです。アマゾンでは結構辛口のコメントが多いですが、いいじゃん、と思います。ああいう場で毒づく神経がいまいち理解できないんですよね。評論家じゃないんだからつまらないと思ったらコメントしなくてもいいんだよ、といいたくなる。ネタばれになるから内容はかけませんが、読みやすいし、読後感は思いのほかよかったですよ。

ちなみにBGMにしてたのは、Trey Anastasio “Trey Anastasio”。変幻自在で飽きさせない。最初は散漫かなーと思ってたんですけど。パーカッシブでファンキーな曲が多いし、だんだん気に入ってきました。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)

Trey Anastasio

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読書期らしい

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 なんだか忙しくてここに書くのはひさしぶりです。余裕がなくなると音楽を聴けなくなることがあるのですが今がその時期かも。まあ通勤時には聴いてるんですが今ひとつ頭に入っていない。その代わり本は結構読んでます。今は「進化しすぎた脳」(池谷 裕二)を読んでいますが非常におもしろそう。

 僕は最近出たブルーバックス版を買ったのですが、単行本が出たときから各方面で評判だったそうです。この人は糸井重里との対談本「海馬―脳は疲れない」でも有名ですよね。

進化しすぎた脳

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めかくしプレイ

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Mekakushi

 ここ数年は音楽雑誌はほとんど買わなくなってしまったのだけど、この本の元になっているMUSIC MAGAZINEの連載だけは好きで立ち読みだけどチェックしていた。著者である松山晋也さんがミュージシャンをゲストに招いてそのゲストにかかわりがありそうな、影響を受けてそうな、好きそうな曲を聞かせて、曲目を当ててもらいつつ話を聞くという内容なのだが、選曲が絶妙で、そのやり取りからゲストの音楽観やら人柄やらが浮かび上がってきてめっぽう面白い。

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ごちゃついた風景が好きだ

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「私説東京繁昌記」を読み続けている。この本は写真家・荒木経惟との共著。彼の写真はなんというか「見てはいけないもの」を見せられている気分になってちょっとうろたえてしまうところがある。露になる、というか。ここに収められている写真は83・84年ごろに撮られたもので僕が知っている東京とはかなり違う。僕はこの十年後に上京するのだけど、ここに切り取られている原東京的なものはほぼ消滅していたと思う。

・・・そんなことはないか。神楽坂の路地の写真を見ていると僕が世紀の変わり目にしょっちゅう行っていた、下北沢を思い出す。ごちゃごちゃした街並。ライブハウスや小劇場。古本屋とレコード屋。手作りっぽい雑貨屋。若者で溢れる駅前から5分も歩くと普通の民家になってしまう雰囲気が僕はとても好きだった。まあ下北沢は小林信彦の基準では東京には入らないと思うけど。

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小林信彦のこと その3

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 会社帰りに久々に本屋に寄る。東京にいた頃は職場が神田の本屋街に近いせいもあってふらふらと寄って帰ったものだ。地方にいるとなかなか自分の欲しい本が見つからないとつくづく思う。amazonで買えばいいといえばそうなのだけど、やはり手にとってぱらぱらめくってみたいのだな。まあこれはCDにもいえることだけど。頭の中でそんなことを考えながら文庫のコーナーを見てたら小林信彦「私説東京繁昌記」を見つけた。僕はこれの姉妹編というか大分後に書かれた続編のような「私説東京放浪記」のほうは持ってて、愛読してたので、迷わず購入。僕はこの人の東京ものが好きなので、しばらくは楽しませてもらおうと思う。

 小林信彦は今の東京は嫌いで、昔の、というか自分の子供の頃の東京(戦前)を愛してることを繰り返し書いてるのだけど、そうして描かれたかつての東京はとても魅力的で、地方のいなか暮らしをしている僕には縁もゆかりもないはずなのに繰り返しよんでしまうのはどうしたことだろう?去年まで僕が十数年そこで働いていた東京…始終工事中のような、移り変わりが激しくて、まるで土着のすんでいる人がいないかのような…そういうのとは違った、生活の場としての東京の魅力とそれが失われていく様を描く小林信彦の文章は読んでいて心地いい。確かに彼にしてみれば今の東京は耐え難いのかも知れないけど、それでもなんにも起こらない地方よりははるかにましだと思ったりもする。そう思う人があつまったおかげでいまの得体の知れない東京ができてるんだろうなあ。

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小林信彦のこと その2

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 昨日の続き。多分小林信彦については「本の雑誌」のコラムで名前は知ってたと思う。でも興味を持ったのは「ビートルズ論争」だろうな。小林と松村雄策とビートルズを巡っての言い争い。RO読者だった僕は松村に肩入れしてたけど、今にして思えば両者とも大人気ないって気もする。

 一方で僕はSF読みでもあったから星新一の商業誌デビュー作である「ヒッチコックマガジン」については名前だけは知っていた。その編集長をしていたのが小林信彦だと知ったのもだいたい同じくらいの時期だったように思う。なんとなくその名前に引っかかりを覚えだしたちょうどその頃にテレビで「ウーマンドリーム」というドラマが始まった。バッシングされる前の裕木奈江がでていたやつ。まあ裕木奈江はどうでもいいのだがその原作が小林信彦だったのだ。で、原作「極東セレナーデ」を購入。結構おもしろかったのでそれからは文庫が出たら買い、古本屋で見つけたら買い(小林の本はすぐ絶版になっちゃうのだ)したら、いつのまにかファンになってた。

 小林の本といえば「日本の喜劇人」に代表される芸人ものが有名だし、僕もこれらの作品を(出てくる芸人の名前しか知らなくても)凄いと思うのだが、一番好きなのは今読んでる「夢の砦」だ。これは「ヒッチコックマガジン」編集長の頃の小林自身をモデルにした自伝的小説で、ここで描かれている若き日の「自信と不安」が極端に行きかう小林の姿は魅力的。今ちょうど創刊号を作るあたりを読んでます。ところでこの本を読んでずっとたってから古本屋で見かけた「ヒッチコックマガジン」を読んでおもいだしたのが第二期の「奇想天外」(今は亡きSF雑誌。やたらとコラムや対談の多い雑誌だった)。新井素子が新人賞をとった号が家のどこかにあるはずなんだけど、見つからないんだよね・・・。

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小林信彦のこと その1

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 今読んでるのは「天才伝説 横山やすし」。こないだのやすしの息子の事件がきっかけです。読み始めるとそんなの関係なくなったけど。やっぱり芸人を語ってるときが一番この人は生き生きしてる気がするな。膨大な知識と現場経験に裏打ちされたこの人のエンターテイメント時評を読んじゃうと、簡単に批評めいた文章はかけないよね。「評価を下す」裏にどれほどの深いバックグラウンドが必要か知ってしまったし、対象に対する深い愛情をともなってるからこそ、その文章にひきつけられるんだと分かったから。にしても、読んでると影響を受けやすいので気をつけないと。うわっつらの真似なんてイタイことこの上ないから。

 小林信彦については何度か書こうと思ったんだけど、そのたびに挫折しました。いつも文章書く前には下調べをかめてぐぐってみるんだけど、そのたびにファンの人の濃い~ページを見つけてよみふけっちゃう。自分の文章を書くところまで行かない。今日もそうだったんだけど何とかここまで書けました。「天才伝説 横山やすし」は読んだので、明日からは「夢の砦」を再読しようかな?

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