New Moon

 東京のタワーで見かけた、ELLIOTT SMITHの文字。新譜はもう出ないはずなのに、と思って説明を読むとどうやらアウトテイクなどをまとめたものとのこと。ちょっと視聴してみたら、当然ながら素晴らしいのです。やっぱりELLIOTTはいい、と独りうなずきながら即レジへ。

 なんといったらいいんだろう?彼の曲にはある種のスリルがあると思うんです。メロディは結構、エリオット独特の節回しがあちこちで聴けるんですけど、曲を通して聴くとよくあるインディー・ポップみたいに全部一緒みたいには絶対なりえないというか(まあそういうバンドにはそれはそれで魅力があるんですが)、はっとさせる瞬間が随所にあります。別にとんでもないことをやってるんじゃなくて、それはコードチェンジであったり、コーラスハーモニーであったり、ちょっとしたギターのフレーズであったりするのですが、そのちょっとしたことが凡百のミュージシャンにはできないELLIOTTならではの技なのでしょう。

 とソングライティングのことをくどくど書きながらも“Thirteen”(Big Starのカヴァー)での歌声にはやられてしまいました。反則技というしかない切なさ。いいです。

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