大仰すぎないのがいいです
これはなんかの雑誌でジャケットを見たんですよ。記事そのものじゃなくてジャケットが頭に引っかかってて。それでこないだタワーに行ったときにCの棚を探してぐるぐる回ってたら試聴機にこれじゃなくてライブ盤があったんで聴いてみました。良ければこっちも買っておくか、と思ったのですが、僕にはちょっと大仰かな?濃い口かな?と感じたので買うのは保留にして当初の予定通りこの“Ma Fleur”を買ってみました。
結論からいうと気に入りました。ロマンティックな音ではあるけれども過剰に感情に訴えかける音ではないとこがいいですね。弦が入ってる曲もあるけど、控えめ且つ効果的に使われています。重厚になる一歩手前で踏みとどまっている感じといえばよいのか。どちらかというとミニマムなフレーズがさざ波のように繋がっていってゆっくりと視界が広がっていくような音の空間が気に入ってます。
ちなみにインタビュー記事なんかを読むと、
僕がつくったラフ楽曲のイメージをもとに、広告代理店でアート・ディレクターをしている古い友人のギャヴィン・マッグラースが、短編ストーリーの脚本を書いてくれたんだ。その脚本から新たなインスピレーションを得て、各楽曲の歌詞とメロディーを仕上げていった。パーソナルな内容ではなく、短編ストーリーに沿って客観性のある歌詞を書くのは、面白い手法だと思ったんだ
ということらしいです。音とストーリーが相互に影響しあって作られてるんだな。これをもとに映画を作る話もあるそうです。そういわれてみるとサントラっぽくきこえてきます。まだ存在しない架空の映画のサウンドトラック。こういうアイデア、よくあるものであるけど、これは頭でっかちな感じもせず、説明的な音もないのがいいですね。
ジャケットとは違って僕はこれを聴いてると、曖昧模糊とした乳白色の空を思い浮かべました。凍てついた空。誰もいない砂浜にいるような孤独を思わせる音楽。こういう雰囲気は好きだなあ。
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