Mekakushi

 ここ数年は音楽雑誌はほとんど買わなくなってしまったのだけど、この本の元になっているMUSIC MAGAZINEの連載だけは好きで立ち読みだけどチェックしていた。著者である松山晋也さんがミュージシャンをゲストに招いてそのゲストにかかわりがありそうな、影響を受けてそうな、好きそうな曲を聞かせて、曲目を当ててもらいつつ話を聞くという内容なのだが、選曲が絶妙で、そのやり取りからゲストの音楽観やら人柄やらが浮かび上がってきてめっぽう面白い。

 本になっていたのは前から知っていたのだが、昨日タワーによった時書籍コーナーで見かけて何気なく立ち読みしてみたらやっぱり面白くて購入。編集者の野間さんも書いているとおり、ミュージシャンがかけられている曲について自分の言葉で語っていてレビュー集としても読めると思う。

 自分で音楽を作っている人にしか言えないやり方でその曲や音楽について語っている様がとっても新鮮で思わずその曲を聴いてみたくなることもしばしば。ゲスト自身の音楽が聴きたくなることも多々あったりして自分の今後の音楽生活に影響を与えてしまいそうな本だ。とはいえ、選曲される曲も招かれているゲストもマニアックなのが多くて音源が手に入らないものも多々ありそうだけど。こういうチョイスをする松山ってどういう人なんだろう?

 そういえば昔好きで読んでたサブカルな雑誌、スタジオ・ヴォイスの当時の編集長が彼だったと思う。特集に必ず付いてた異常に詳しい相関図と「読むべき/聴くべき/観るべき」カタログは壮観だったなあ。この本の中で畠山美由紀が絶賛していたフィービ・スノウの1stを本と一緒に買ってみたんだけど、すげー良かった。フォーキーでジャジーでブルージー。これについては別の機会にじっくり書こうかな。

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