うたってんだかしゃべってんだか

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 それすら判別できないようなヴォーカルが延々続いてるこんなアルバムが、なんでこんなにかっこいいのか?いや、こういうのもありなんだ~って初めて聴いたとき不思議な感動とともにおもったのでした。

 ルー・リードがベルベット・アンダーグラウンドの人ということがこのアルバムに手を出した理由のすべてだったわけで。最初は凄い面食らいましたね。なんなんだこれは。という戸惑いは当然ありました。普通のうたとは、という概念からはだいぶ遠いですからね。一応歌詞カードをみてみるかと、僕みたいなタイプにも思わせるような。

 だから何度か目を通してはいるので、内容が80年代のニューヨークのリポート、凄くハードな都市の日常、なんてことは知ってるんだけど、細かな内容とか全然覚えてません。結局きちんと歌詞、読んでないんだよね。

 今回これを書くために改めて読んではみたんだけど、対訳だとやっぱり伝わる部分が少ないからか、ぴんときません。インタビューではシリアスな中にも笑える描写も含みつつ歌詞を書いているってことなんですけど。

 まあでもそういうことはシンプルかつソリッドな演奏が彼の歌と絡み合っていく様を聴いてるとどうでもよくなってきます。ルー本人ともう一本のギターによって刻まれるリズムと時折奏でられる綺麗なメロディの上を語りが乗っかっていく感じがやたらとかっこいいんだよね。特に最初の3曲が超強力で圧倒されてしまいます。

 ヒップ・ホップ系ともまた違った語りかけるスタイルのヴォーカルに惹かれるようになったのは、これを聴いて以来のことです。フェルトとか、ロイド・コールとか結構枚数持ってるし。メロディがないわけじゃないけど、語りの魅力的が勝っているヴォーカルについ手が伸びてしまいます。

 ルーリードについてもこの後ベルベット・アンダーグラウンドも含め色々聴いたんだけど、本作を聴くことが一番多いです。彼の魅力が分かりやすく表現されてるからかな、と思ってるんですけどね。

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