Jose James/The Dreamer

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いつまでも今を生きる新鮮な音楽

ザ・ドリーマー

JMさんの記事を読んでからすぐ買うつもりがブログいじりにはまっててそのままになってました。土曜日CDショップにふらっと入ったところでジャケットが目に止まり即買い。一緒に買ったPorts of Notesの記事を書いた後にやっとこさ、じっくり聴いてみました。

何ともいえない独特の声の持ち主ですよね。引き込まれざるを得ないような魅力があります。カヴァーを自分に引き寄せる力もあるし、ソングライティングだってすぐ彼とわかるオリジナリティがある。デビュー作にして揺るぎない自分がいるって凄いことです。

このCDのライナーとかネット上のインタビューとかを読むと長い下積みがあったそうだけど、その間に試行錯誤を繰り返したことはこのアルバムを聴いても容易に想像が出来ます。音楽的には基本はジャズだけど、ソフィスティケートされたソウルの香りもするし、HIP HOPが大好きだそうだからその影響もある。

レコーディングでも刻々と音は変わっていったそうですが、ベースとなる「彼の音楽」はすでにあるのだから、彼ら・・・本人やバンドやジャイルズ・ピーターソン・・・がやることはその「彼の音楽」を見つけていくことだったんじゃないかなあと勝手に想像したりしました。それは苦しくて、同時にわくわくする魅力的な時間だったのではないでしょうか?結果としてできあがった音楽は往年のジャズに敬意を表しつつも、今を生きる音でした。その今はおそらく10年先も今を生きているように響くであろう音なのではないかなあと思います。

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Joni Mitchell/Hejira

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お気に入りの小説のように

逃避行

joniの音楽を全然わかっちゃいないだろうと思います。という分からなさ加減がいいのかなあ。特にこのアルバムはお気に入りで何度も聴いてます。凄く宙ぶらりんで何処にも辿り着かない気がして、自由なような不安なような奇妙な威力があるのですね。音楽としてもジャンル分けが出来ないですよね。いつも書いてますが僕はそういう音楽が大好きで・・・なんで今まで聴かなかったんだろうなあ?フォークの人というイメージがあったからかも知れません。

聴いてみたら違ってました。いやフォークの部分もあるんですけど、彼女は時期によってかなり音楽性が異なっていてこのアルバムの時期はフュージョン色が強いんですが、いくらメンバーが凄腕だろうがいつだってまったくもって彼女の色に染まってます。強烈な個性ですよね。

この個性はどこからくるのだろう?その説明として彼女を語るとき、よく出てくるのが「恋多き女性」みたいな言葉。確かに歌詞にはそうした面は出ているのでしょうが、それだけでは語れないような・・・。むしろその個性は彼女のギタリストの部分に負うところが多い気がします。

あのふわふわした独特のギターの響き。僕はギターを弾かないから詳しくはわからないけれどもあれは変速チューニングからくるらしいですね。その響きに絡むジャコを始めとしたバンドのメンバー。そして彼女の歌。そこで交わされる音の会話。ある時は優しく、ある時は激しく。激しさの中にやさしさがあったり、柔らかさの中に強さを感じさせたり。joniの紡ぎ出した曲の中で彼女を含めたメンバーは限りなく自由なのです。joniは広い海のように何でも飲み込んでしまうのでしょうか?

買ってから何回聴いただろう?実に素晴らしく飽きません。何度読んでも飽きないようなお気に入りの小説のような。結末が分かっててもいいものはいいですよね・・・。僕のもってるCDはLPの解説と訳詞が転載されています。解説と訳詞とも湯川れい子なんですが、これが実にjoniの女性性を強調したものでした。それを読んだから余計、「それだけじゃないだろ」と思ってこういう文章を書いたのかなあ。まあせっかくの日本盤なので訳詞もじっくり読んでみるつもりですけど・・・。

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Todd Rundgren/A Wizard, A True Star

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魔法使いは真実のスター(紙ジャケット仕様)

トッドに出会ったのはかなり遅くてきちんと聴いた最初はフリーソウルのコンピ。・・・というのがすでに間違っていたのかも。美メロでソウルフルなだけがトッドじゃなかったんだね~。

“魔法使い真実のスター”、この数日ヘビロテしてます。しばらくよさがわからずにいたのですが、こないだ・・・それこそiTunesにいれたのがきっかけで聴き直したんですけど、すぱっとはまっちゃいました。前半は実験的でわけわからんとこもあるけど、むずかしっぽいとこがないのがいい。深刻ぶったところがないのがいい。とっちらかってるけど、楽しいのがいい。ちょっとやりすぎかなあと思えるとこもあるけど、そこがトッドらしさなのかもとか思ったり。後半はあまあま。ソウルフルな歌声がとてもいいです。過剰な程の甘さ。でももたれないんですよね。何度も聴きたくなる。

本当にきれいなメロディがかける人だなあと思います。・・・最後の曲なんてため息がでそうな最高のメロディですよね。聴いてる間、3センチくらい浮かんでる感じがするような素敵なアルバムです。

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Josh Rouse/Country Mouse City House

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戦利品・その1

Country Mouse City House

前も同じようなことを書いたような気がするけど、今回もジャズっぽいものが自分の中で盛り上がってるのですが、ポップなのも1枚いっとくかということでJosh Rouseのこの新譜を買ってみました。今日はこれを聴きながら、仕事に出かけたのですが、やっぱり素晴らしいわけです、メロディも演奏もアレンジも歌も。他のを聴く気がしなくなり、今日は帰りもそして帰宅後もこればっかり聴いてました。

曲によってジャジーだったりフォーキーだったりソウルフルだったりしますが、基本はあくまでポップ。変化球は使わず、曲のよさで勝負っていう潔さがいい。それと彼のメロディ。なんでこう胸にひっかかってくるかなあ・・・。気がついたら僕にとって大切なSSWになってるような。一度はライブがみたいな。大きくないとこで弾き語りとかで聴いてみたいです。

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Aimee Mann/Bachelor No.2 Or the Last…

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バチェラー No.2

今日はほっこりしたくてこれをチョイス。歌詞はちっともほっこりしてないけど・・・。彼女の声が好きです。低めで憂いがあって。楽曲はわりとオーソドックスなフォークロックなんだけど、メロディも演奏も勿論歌声も素晴らしくて、飽きることがありません。彼女の音楽は控えめで押し付けがましいところがないのがいいです。だから何かやり始めるとき、後ろでちょっと何か音がほしいなあと思うとき、かけたりします。

そうすると気分よく作業がすすむんですよ。そしてその何かが終わったとき、いつも思うのです。やっぱりいいよな、エイミー・マンって。で、もう1回頭から聴きなおす。いつもそうなんです。とか書いてる間にアルバム終わっちゃっいました。買った頃はしょっちゅう何かしながら聴いてたよなあ。実はこれ聴くの結構久しぶりなのですがやっぱりいいなあ、と思いました。10年後もそうやって聴いてるでしょう、たぶん。・・・さあ、もう1回聴きながら寝よう。

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The Sea And Cake/Everybody

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EVERYBODY

実に爽やかなで室温が1、2度下がりそうなアルバムで僕は好きですね。「It’s a Rock Album」ってメンバーが言うほどにロックという感じはしないけれども、バンドぽさは伝わってくるかなあ。

今更なんだけどサム・プレコップの歌っていいですね。ずっと、もうちょっとメロディアスだといいのにって思ってたけど、彼は要するにルーリードみたいに一般的でないやりかたで歌うタイプの歌い手なんだよね。オーソドックスなメロディラインを求めたらダメなんだなあ。

そう思って聴きなおすと凄く心地よく聴こえてくるから不思議なもんです。ただギターのフレーズには80年代ていうかREM以降のカレッジバンドの雰囲気があってロックだなあと感じる瞬間はあるかも。

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歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」読了

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久々にミステリ読んでみました。こういうどんでん返しは好きです。アマゾンでは結構辛口のコメントが多いですが、いいじゃん、と思います。ああいう場で毒づく神経がいまいち理解できないんですよね。評論家じゃないんだからつまらないと思ったらコメントしなくてもいいんだよ、といいたくなる。ネタばれになるから内容はかけませんが、読みやすいし、読後感は思いのほかよかったですよ。

ちなみにBGMにしてたのは、Trey Anastasio “Trey Anastasio”。変幻自在で飽きさせない。最初は散漫かなーと思ってたんですけど。パーカッシブでファンキーな曲が多いし、だんだん気に入ってきました。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫 う 20-1)

Trey Anastasio

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The Beach Boys/Pet Sounds

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ペット・サウンズ オリジナル・モノ・ミックス

 久しぶりにレンタルCD屋に寄ってみたらあの“Smile”があったので思わず借りてしまいました。そう、未完成で終わったにもかかわらずロックファンの間ではやたら有名で伝説度が高かった「あの」アルバムです。それを2004年になってブライアンが完成させたと知ったときは聴きたいような聴きたくないような複雑な気分でした。

 聴いてみた感想ですが、やっぱりいいです。66年の雰囲気もありつつ今のサウンドにもなっておりさすがだなあって感じで。少なくとも「こんなに待たせておいてこれかよ」的な不満はないです。でもBoxに収録されていたSmile Sessionの音源のほうがやっぱり好きかもかもしれません。やっぱりこの頃のブライアンは凄いです。‘Our Prayer’、‘Wonderful’、そして‘Suf’s Up’、やばいです、メロディといい澄み切った声といい・・・。とはいえこうして“Good Vibration Box”まで買ってしまったのは結局“Pet Sounds”にはまったからなんですけど。

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ELLIOTT SMITH/NEW MOON

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New Moon

 東京のタワーで見かけた、ELLIOTT SMITHの文字。新譜はもう出ないはずなのに、と思って説明を読むとどうやらアウトテイクなどをまとめたものとのこと。ちょっと視聴してみたら、当然ながら素晴らしいのです。やっぱりELLIOTTはいい、と独りうなずきながら即レジへ。

 なんといったらいいんだろう?彼の曲にはある種のスリルがあると思うんです。メロディは結構、エリオット独特の節回しがあちこちで聴けるんですけど、曲を通して聴くとよくあるインディー・ポップみたいに全部一緒みたいには絶対なりえないというか(まあそういうバンドにはそれはそれで魅力があるんですが)、はっとさせる瞬間が随所にあります。別にとんでもないことをやってるんじゃなくて、それはコードチェンジであったり、コーラスハーモニーであったり、ちょっとしたギターのフレーズであったりするのですが、そのちょっとしたことが凡百のミュージシャンにはできないELLIOTTならではの技なのでしょう。

 とソングライティングのことをくどくど書きながらも“Thirteen”(Big Starのカヴァー)での歌声にはやられてしまいました。反則技というしかない切なさ。いいです。

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Blossom Dearie/Blossom Dearie

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眼鏡とピアノと彼女の小粋な歌があれば

Blossom Dearie

 何度かこのブログでも話題にしているBlossom Dearieだけど、きちんとジャケットを載せて紹介するのは初めてかな?眼鏡ジャケとしても秀逸なこのアルバムを閉店間近のタワーで買ってきました。まだこれは持ってなかったんですよね。

 最近70年代にでたアルバムが再発されてきている彼女ですが、これは50年代にVERVEからでた完璧にジャズしているアルバム。でも彼女が歌っているだけでうきうきしてくるような雰囲気はこの頃からすでにあってとてもいいです。ジャズシンガーぽくない軽い歌声はジャズばっかり聴いているんじゃない人のほうに受け入れられそうな気がします・・

 とか書いてますがジャズ好きはほんとにこの声が苦手な人が多いのでしょうか?周りにジャズマニアがいないからよくわからないのですが。確かにむちゃくちゃ歌が上手い、というタイプではないし、ロリータヴォイスなんて書かれ方もよくされますけど、今となってはそんなに強調することでもないような。くるくると曲によって表情が変えていく表現力豊かな歌い方が彼女の魅力だとおもうんですよね。彼女のひくピアノも表情豊かにうたっててとてもいいですよね。

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