気持ちいいアルバム

Continuum

 まず声がいい。スモーキィな声質というのか。思わず聞き惚れる。曲によってはちょっとスティングを思わせりもして。声だけではなくて歌そのものも上手い。ブルージーだけど渋くはなり過ぎない曲調も彼にはあっていると思う。でもって彼のギターも素晴らしい。ストラト特有のあの音色で印象的なフレーズをいくつも奏でる。けっして弾き過ぎないのだけど存在感がある。

 そんなジョン・メイヤーのバックを固めるバンドの演奏、ことにドラムの素晴らしさにも触れないわけにはいかない。スティーブ・ジョーダン、彼のドラムは曲調にほんとにぴったりで、何度聴いても気持ちよく聴ける要因の大半がここにあるのかもとさえ思う。

 なんてえらそうに書いたけど、僕はジョン・メイヤーのこともスティーブ・ジョーダンのことも名前くらいしか知らなかったんだけどね。でも試聴機で耳にした‘Waiting On The World To Change’が気にいっちゃってね。マーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドなんかを思わせるソウルな雰囲気がよかった。

 さらにいうと、にもかかわらず、ポップ・ミュージックとしてもフレンドリーさもあって耳に優しいなあと思ったのだ。他の曲も根底にあるものはソウルだったりブルースだったりするのだけど、基本的には素晴らしいメロディに支えられたポップソング集。

 昔の僕だったら、深みが足りない、本格派じゃないとか、だたのポップじゃないか、しかも地味だし、とか思ったかもしれない音だけど、今はやたらと新鮮で気持ちよく耳を潤すのだ。で、その気持ちよさを支えるのはドラム。オーソドックスな曲を演奏しててもリズムが今、だったらどこまでも新鮮に響くのだなあ。スティーブ・ジョーダンって凄い人なんだね~。

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