座標軸の中心

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 こないだから、ロックとしかいいようがないものばっかり書いてます。それもイギリスモノばっかり。普段はひねくれたなんだかジャンルもよく分からないのを聴いてるんだけど、もともとはブリティッシュ・ロックが好きだったんだよなあと思う今日この頃。

 典型的な英国流ロックバンド、ブルースへの憧憬にみちたサウンドを奏でるバンドはって考えて、真っ先に思い浮かぶのは彼らです。ストーンズじゃないのって一瞬思ったりもしますが、彼らはずーっとストーンズであり続けている時点で典型的ではないでしょうねえ。

 フェイセズはスモール・フェイセズの残党とジェフベックグループのヴォーカルが始め、短い輝きの後、空中分解した、という経緯や後にメンバーがそれこそストーンズなどの重要なバンドに在籍したことも含めて、離合集散を繰り返すあの時代らしい英国のロックバンドだなあと思うのです。

 というわけで、フェイセズです。ああロッド・スチュアートのバンドね、なんていわないで、ロン・ウッドもロニー・レインもイアン・マクラガンもケニー・ジョーンズもいるんだから。これはまだロッドがソロで売れる前のバンドとしてのバランスが取れてる頃のアルバムです。

 ロッドの塩辛いブルージーな声はもちろん楽しめるんだけど、ロンのスライド・ギターやイアンの転がるピアノやオルガンも大活躍してていいんだよね。2曲ライブが入ってるんだけど、ドライブ感に満ちてて盛り上がって聴けます。

 特にポール・マッカートニーのカバー‘恋することのもどかしさ(Maybe I’m Amazed )’は聴くほどに味わいが増してきます。ロッドとロニーがハモリ、オルガン、ギターが重なっていく後半の部分がとっても素敵。こういう迷いのないサウンドはいいですよね。演奏のすべてが自分たちの愛する音楽にまっすぐ向ってる。レコーデイングの合間の、俺たち、いい感じだぞ、って囁きが聴こえてくるような気がしませんか?

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