Joni Mitchell/Hejira
H~N 2月 14th. 2008, 9:55pmお気に入りの小説のように
joniの音楽を全然わかっちゃいないだろうと思います。という分からなさ加減がいいのかなあ。特にこのアルバムはお気に入りで何度も聴いてます。凄く宙ぶらりんで何処にも辿り着かない気がして、自由なような不安なような奇妙な威力があるのですね。音楽としてもジャンル分けが出来ないですよね。いつも書いてますが僕はそういう音楽が大好きで・・・なんで今まで聴かなかったんだろうなあ?フォークの人というイメージがあったからかも知れません。
聴いてみたら違ってました。いやフォークの部分もあるんですけど、彼女は時期によってかなり音楽性が異なっていてこのアルバムの時期はフュージョン色が強いんですが、いくらメンバーが凄腕だろうがいつだってまったくもって彼女の色に染まってます。強烈な個性ですよね。
この個性はどこからくるのだろう?その説明として彼女を語るとき、よく出てくるのが「恋多き女性」みたいな言葉。確かに歌詞にはそうした面は出ているのでしょうが、それだけでは語れないような・・・。むしろその個性は彼女のギタリストの部分に負うところが多い気がします。
あのふわふわした独特のギターの響き。僕はギターを弾かないから詳しくはわからないけれどもあれは変速チューニングからくるらしいですね。その響きに絡むジャコを始めとしたバンドのメンバー。そして彼女の歌。そこで交わされる音の会話。ある時は優しく、ある時は激しく。激しさの中にやさしさがあったり、柔らかさの中に強さを感じさせたり。joniの紡ぎ出した曲の中で彼女を含めたメンバーは限りなく自由なのです。joniは広い海のように何でも飲み込んでしまうのでしょうか?
買ってから何回聴いただろう?実に素晴らしく飽きません。何度読んでも飽きないようなお気に入りの小説のような。結末が分かっててもいいものはいいですよね・・・。僕のもってるCDはLPの解説と訳詞が転載されています。解説と訳詞とも湯川れい子なんですが、これが実にjoniの女性性を強調したものでした。それを読んだから余計、「それだけじゃないだろ」と思ってこういう文章を書いたのかなあ。まあせっかくの日本盤なので訳詞もじっくり読んでみるつもりですけど・・・。
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タグ: 70's, jazz, pop, US, レビュー