歌姫

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 基本的に僕は歌い上げるタイプよりも軽くうたう感じの方が好きなのです。なんかよくいるでしょう、やたら高い音程をいつもおんなじ調子で歌ってる人が。暑苦しいってば、とか思いません?苦手だなあそういうの。

 このエリス・レジーナもわりと歌い上げるタイプのタイプなのですが、そういう一本調子さとは無縁です。様々なタイプの曲を時に楽しげに、時には悲しげに、パワフルに、繊細に歌いまくっています。そして聴いていると元気が出てくるんですね。彼女のあふれる情熱が伝わってくるのかも知れないです。

 ただテクニック的に凄い歌手とは明らかに違います。その曲を最良の形できちんと歌い、聴き手に届けようとしているのが伝わってくる気がして、そこがとっても好き。このアルバムはでスタジオでレコーデイングされたものとしては最高傑作ともいわれていますね。若手のライターから提供された曲を採り上げて歌うのも彼女の特徴で、3曲目はジョイスの名を一躍ブラジル中に知らしめた曲として有名。30代になった彼女の円熟した歌声が聴けるのも魅力です。若くして亡くなったのが残念ですね・・・。

 なんか珍しくレコ評っぽくなったな。ボサやブラジル音楽に興味のある人にはぜひ手にして欲しい作品なので力が入ってしまいました。amazonでは品切れみたいですが、レコ屋では探せば見つかると思います。

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