The Lamb Lies Down on Broadway

 こないだも同じようなことを書きましたが、片頭痛は週末に出やすくて昨日は薬を飲んで寝込んでました。夜にはなんとか回復してたのですが、今度は眠りすぎて、2時過ぎになっても目がさえまくり。仕方がないのでなんか音楽でも聴きながら横になろ、ってことであんまりうるさくなくてお気に入りのアルバムをチョイスしたのが、これです。ピーガブ期ジェネシスの最終作、「幻惑のブロードウェイ」。学生時代散々聞き倒したアルバムなので、安心して身をゆだねられる。どこかわからないところに連れて行かれる感じがすばらしい。いいなあと思いつつ就寝。

 今日も今ひとつ調子がでないので出かけるのをやめて再びこのアルバムに向ってみました。こんどはヴォリュームを上げて、歌詞を拾い読みしながら。でもやっぱりわけがわかんないので途中で読むのを止めて、聴くのに専念。いつものことなんですけどね。歌詞をチェックしようと思って日本盤を買ったくせに、きちんと読んだことがないという…。でも本場の英国人にも意味が分からない歌詞らしいからいいか、と開き直りのもいつものこと。

 とここまで書いてると大好きな‘The Lamia’のイントロが流れてきてしばし聴き入る。リリカルなピアノから始めるドラマチックな展開の曲。ピーガブ在籍期のジェネシスは一通り聴いてます。どれもいいアルバムだと思うのですが、今でも聞き返したいと思うのは一番とっつきにくいといわれるこのアルバムだけです。それが「おれだけは理解できるぞ」的な思い入れではないのは前述のとおりです。ストーリイなんかてんでわかっちゃいないのですから。

 学生時代はこのアルバムを聴きながら、お気に入りのSFなんかを読むのが暇な時の定番の過ごし方でした。ディックとか神林とか。やっぱりどこかわからないとこにいくんですよ。これ聴いてると。それで完璧に絵空事の世界に浸るわけ。今考えると贅沢な時間だったなあ…。かつての自分は現実とかけ離れたものが好きだったんだよなあとこれを聴いていると思います。迷宮をさまよいつつ時折珠玉の美しさと出会う、というのがこのアルバムに対する僕のイメージ。確かに演奏は素晴らしいと思うけど、このアルバムはこの世界を愛でるというのがいいんじゃないかなあ。例えその世界が理解できなくてもそれでも好きでいられることってあると思うのです。

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