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 昔から音楽は好きだったけど、ライブのよさを知ったのは上京してからでした。目覚めさせてくれたのはGreat3。今から10年近く前の冬の夜。今は亡き新宿のパワーステーションの場所がよく分からず、地図を片手にうろうろしたのを思い出します。

 彼らを知ったのは雑誌で見た“Richmondo High”のレビューですね。自分に合いそうなバンドだな、と感じて音を聴く前にアルバムをいきなり買ってしまったのが始まり。捨て曲なしの名盤で、そのバンドらしい生き生きした感じと洗練のバランスの素晴らしさが気に入ってすぐにヘビーローテーションになりました。

 でもライブに行こうと思ったのはなぜなのかな?当時は好きになったら即ライブって感じではなかったから、ちょっとした気まぐれかも。でもその気まぐれを起こしてなかったらその後のライブ三昧の生活はなかったかもしれません。就職してそのまま東京で働き始めて間がないあの頃、知り合いもいなくて、音楽話のできる同僚もいなくて今思うと煮詰まってたなと思うのだけど、ライブの楽しさを知ることが出来たのは良かったな。

 その日は最初から会場は期待感で盛り上がってて。もちろん始まってからも片寄のCDよりてんぱった感じのうた、結構分厚い演奏、はじける堀江くんのキーボード・プレイで観客はガンガン盛り上がり、気づくと自分も乗せられてました。凄かったな~。

 でも一番印象に残ってるのは3人のふざけあう悪友っぽい佇まいだったかも知れません。そこには他人には入って来れない様な信頼関係があり、それをみて、僕は「バンドっていいもんだな」と思ったのです。その日は、いいものを観たなあと嬉しい気持ちでいっぱいでした。

 その後、いろんなライブに行くようになり、その醍醐味を知るようになったのですが、Great3だけは演奏が聴きたいのはもちろんなんだけど、「あの3人のがふざけあう」のを確認することが自分にとっては大事だったように今になってみると思います。

 アルバムが出るごとにいくら音がかわっても、ライブでの3人の姿を見て、相変わらずだな~、と思うことが好きだったんですよね。

 僕の手元には初めてライブを観た日におまけでもらったCDがあります。内容は、3人のちょっとしたトークと、未発表曲の弾き語り。あの頃の彼ららしい、綺麗なメロディの佳曲です。これを聴くと演奏中の気合の入りまくった表情とMCでの邪気のない笑顔を思い出します。そしてそれを観ていた当時の自分も。結構ぎりぎりだったよな、とか。

 といっても地元に戻った今は余裕たっぷりかというとそんなことは全然ないですけどね。片寄がいうようにこれからだってぎりぎりでなんとかやっていくんだと思います。しかしライブに行きたいなあ。彼ら3人の変わらない部分をそろそろ観たいんだよね。

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