ひりひりするような緊張感

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 田島さんがなんかのインタビュー(テレビか雑誌かも憶えてないけど)でこの作品について熱く語ってたんですね。それを憶えててその何年か後にこないだユニオンで買ったような感じでなんとなく購入したのがこのアルバム。

 1曲目からすっごい緊迫感。鋭く空間を切り裂くワウワウギターと粘っこいリズム。ファルセット・ヴォイス。ロックじゃないけどロックみたいだ!とのめりこんだのが昨日のように思い出されます。今聴きながら書いてますが、このイントロ、たまりません。

 何回もこれを聴くうちに他のソウル系の音も聴けるようになってたんだよな~。信じられないかも知れないけどそれまではスティーヴィー・ワンダーですらピンとこなかったんですよね。だからこれ聴かなかったら今もソウル、というかブラック・ミュージック、聴いてないです。田島さんありがとう、という感じです。

 その後、他のアルバムも聴いたけど、やっぱりこれが一番好きです。この音数が少なくて、張り詰めた雰囲気・・・いいなあ。実際、詞の内容はアルバムタイトルの「アメリカみたいなところは他にはない」とジャケットに象徴されるような当時のアメリカ社会についてうたっています。そういう意味では典型的なニュー・ソウルなのかな?

 でも自分としては白人ミュージシャン、ニック・ドレイクなら“Pink Moon”、ETBGなら結成前の二人のソロが好きなのと同じ感覚で、よりシンプルで孤立した雰囲気を求めてこれを聴いていた気がします。改めて聴くと思いっきりブラックミュージックなんですが。

 とにかく一人の好きなミュージシャンが出来れば、今まで聴けなかったタイプの音楽を好きになれる、ということをこのアルバムは教えてくれました。そういう意味で自分には重要な作品です。

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