昨日の続き。多分小林信彦については「本の雑誌」のコラムで名前は知ってたと思う。でも興味を持ったのは「ビートルズ論争」だろうな。小林と松村雄策とビートルズを巡っての言い争い。RO読者だった僕は松村に肩入れしてたけど、今にして思えば両者とも大人気ないって気もする。

 一方で僕はSF読みでもあったから星新一の商業誌デビュー作である「ヒッチコックマガジン」については名前だけは知っていた。その編集長をしていたのが小林信彦だと知ったのもだいたい同じくらいの時期だったように思う。なんとなくその名前に引っかかりを覚えだしたちょうどその頃にテレビで「ウーマンドリーム」というドラマが始まった。バッシングされる前の裕木奈江がでていたやつ。まあ裕木奈江はどうでもいいのだがその原作が小林信彦だったのだ。で、原作「極東セレナーデ」を購入。結構おもしろかったのでそれからは文庫が出たら買い、古本屋で見つけたら買い(小林の本はすぐ絶版になっちゃうのだ)したら、いつのまにかファンになってた。

 小林の本といえば「日本の喜劇人」に代表される芸人ものが有名だし、僕もこれらの作品を(出てくる芸人の名前しか知らなくても)凄いと思うのだが、一番好きなのは今読んでる「夢の砦」だ。これは「ヒッチコックマガジン」編集長の頃の小林自身をモデルにした自伝的小説で、ここで描かれている若き日の「自信と不安」が極端に行きかう小林の姿は魅力的。今ちょうど創刊号を作るあたりを読んでます。ところでこの本を読んでずっとたってから古本屋で見かけた「ヒッチコックマガジン」を読んでおもいだしたのが第二期の「奇想天外」(今は亡きSF雑誌。やたらとコラムや対談の多い雑誌だった)。新井素子が新人賞をとった号が家のどこかにあるはずなんだけど、見つからないんだよね・・・。

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